支持具や滑り止めの跡もしっかり落ちる!ダダリオの3ステップシステムでギターをピカピカに

4.5
ダダリオの3ステップシステム(PW-PL-01/PW-PL-02/PW-PL-03) ギター用品

ギターを使っていると避けられない汚れ。単純な汚れだけではなく、滑り止めを使ったり支持具を取り付けたりした時の跡もやっかいです。ダダリオの3ステップシステムを使うとそのような汚れや細かい傷をきれいに落とし、ギターをピカピカにしてくれます。実際にこのシステムに含まれるPW-PL-01/02/03を使ってみましたのでレビューをお届けします。

3種類のポリッシュからなる3ステップシステム

ダダリオの3ステップシステムは、以下の3種類のポリッシュから構成されている点が特徴です:

商品名役割型番詳細
ディープクリーニングポリッシュ回復PW-PL-01/PW-PL-01S頑固な汚れもきれいに落とす強力なポリッシュ
リキッドカルナバワックス保護PW-PL-02/PW-PL-02S楽器表面を保護し、自然で美しい仕上がりにする
インスタントスプレイポリッシュ日常のお手入れPW-PL-03/PW-PL-03S普段使っているとつきがちな指紋や小さな傷、細かなほこりを除去

ポイントは「回復」の役割があるディープクリーニングポリッシュと「日常のお手入れ」用のインスタントスプレイポリッシュがある点にあります。

「保護」の役割があるカルナバワックスはクラシックギターでは一般的に使われており、私も愛用していました。

しかしながら、車のや床のワックスがけをしたことがある方ならわかるかと思いますが、普通はワックスを掛ける前にしっかりと汚れを落とさなくてはなりません。

汚れがついたままでワックスを掛けると、汚れをワックスの下に閉じ込めてしまうことになります。

そこでダダリオの3ステップシステムでは、まず回復の役割があるディープクリーニングポリッシュで徹底的に汚れを落とし、その後でカルナバワックスを使うという手順になっているのです。

さらに日頃から汚れを落とすことも大切です。このためにインスタントスプレイポリッシュが用意されています。

この3ステップシステムに興味があり、私のクラシックギターに実際に試してみました。

PW-PL-01/02/03はセラック塗装やラッカー塗装のギターに使える?

その前に、これらのポリッシュがギターによく使われるセラック塗装やラッカー塗装のギターに使えるかどうかメーカーに問い合わせてみました。

アメリカのダダリオ本社に問い合わせたところ、PW-PL-01/PW-PL-02/PW-PL-03はセラック塗装やラッカー塗装にも問題なく使えるとのことです。

ただし、ニトロセルロースラッカーの場合は基本的には安全ですが、最初に目立たないところでテストしたほうが良いとのアドバイスをもらいました。これは経年変化が大きいためと思われます。

私が使っているハウザーIII世もニトロセルロースラッカーなので最初は恐る恐る使いましたが、結果的には全く問題ありませんでした。

ちなみに、最初は日本でダダリオの代理店をしているキョーリツコーポレーションに問い合わせたのですが、「セラックにもラッカーにも使えない。というか保証できない。」という返答でした。

責任を取りたくないのはわかるのですが、楽器や顧客への愛情が感じられない返答で、商売を優先している感じがして残念です。

キョーリツコーポレーションはプロアルテなどの弦を半額割引前提の定価を付けるなど、元々なんだかなぁとは思っていましたがやっぱりという感じですね。

実際にPW-PL-01/PW-PL-02/PW-PL-03を使ってみた

それでは実際に私のハウザーIII世(ニトロセルロースラッカー)にダダリオの3ステップシステムを使っていきます。

支持具の取り付け跡や滑り止めの跡も消えるPW-PL-01

まずは楽器全体をきれいにするディープクリーニングポリッシュ「PW-PL-01」を使っていきます。

ディープクリーニングポリッシュには大容量(118ml)のPW-PL-01と、小容量のPW-PL-01S(29.5ml)がありますが、今回は初回ということで小容量のほうを選びました:

容量あたりの値段は大容量タイプのほうが安いです:

フタを開けるとこんな感じで、粘度の高い少し黄色がかった白色の液体が入っています:

液体というかほぼクリームに近い状態で、柔らかいボトルを握って中身を押し出さなくてはいけません。

白い布に取るとこんな感じです:

ニオイはなんというか、車関係のワックスや洗剤っぽい感じで、カー用品店を思い起こさせます。

このクリームをギターに円を描きながら塗っていき、白く浮き出るまで待ちます。結構すぐ浮き出てきました:

浮き出たものを布で拭き取ったら完了です。この時点で既にギターの曇りが取れた感じがします。私のハウザーIII世は中古で購入したため、汚れが積もっていたのでしょう。

さらに感動したのが、支持具の取り付け跡や滑り止めの跡もきれいに消えたという点です。

これらはクリーニングクロスでいくら拭いても取れませんが、ディープクリーニングポリッシュで少し磨くと少し取れたため、何回か磨いたところきれいに取れました。

かなり強力なポリッシュといえそうです。

ギターを保護するPW-PL-02

次にギターを保護する役割がある「リキッドカルナバワックス」を使います。

こちらも小容量のPW-PL-02Sを使いました:

コストパフォーマンス重視なら大容量のPW-PL-02が良いでしょう:

こちらも粘度の高いクリーム状の液体で、色はディープクリーニングポリッシュよりも白いです:

こちらも同じくカー用品店の香りでした。

同じく柔らかいボトルから絞り出して使います:

クロスに少量取り、ギターを円を描くように磨いていきます:

白く浮き出てきたら拭き取って完成です:

私はこれまでTAURUS ARMYのカルナバポリッシュを使っていましたが、それよりも明らかにピカピカになります

TARUS ARMYは水っぽかったので、クリーム状のPW-PL-02はカルナバワックスが濃いのでしょうか。

日常のお手入れに使えるPW-PL-03

最後のPW-PL-03は01/02と異なり、同じタイミングで使うものではありません。

PW-PL-01とPW-PL-02でメンテナンスしたギターに対し、日常的に発生する汚れを落とすために使います。

たとえば指紋やほこりなどは使っていれば必ずつきますが、それらを手軽に落としきれいな状態を長く保てるでしょう。

例によって小容量タイプのPW-PL-03Sを使いました:

コスパ重視ならPW-PL-03を使いましょう:

こちらはスプレータイプのポリッシュであり、色は透明です。クロスに少量スプレーし、ギターを磨きます。

頑固な指紋などは水を使って落としたくなりますが、このインスタントスプレイポリッシュはそれよりもギターの塗装に優しいと思われます。

ニオイはなんとなく甘いココナッツような香りです。

試してみましたが、頑固な汚れはこれ単体では落ちないです。完全に液体でありポリッシュといっても研磨成分は入っていないのでしょう。脂分などを落とすのに特化しているものと思われます。

ギターを弾き終わった後に使えば、長くきれいな状態を保てそうです。

PW-PL-01やPW-PL-02は使いすぎに注意

ギターを非常に美しい状態に保てるダダリオの3ステップシステムですが、使いすぎには注意してください

特にPW-PL-01やPW-PL-02はギターを磨いてきれいにするものであり、塗装面を多少なりとも削ります。使いすぎると塗装が薄くなりすぎるかもしれません。

さすがに数回使っただけで一般的な塗装がはげるようなものではないですが、半年に1度とか1年に1度とかの頻度で使い、普段は研磨成分がなさそうなPW-PL-03でメンテナンスすると良いと思います。

ギターがきれいになると音がきれいになった気分になる

ダダリオの3ステップシステムできれいになったギターを弾いてみて感じたのは、音がきれいになった気がするということです。

表面板の振動を妨げる汚れが落ちたので音がきれいになった、というよりは心理的なものでしょう。汚いギターよりもきれいなギターのほうが良い音が出ると感じるのは自然なことです。

手軽にギターをピカピカにできますし、気になる支持具や滑り止めの跡も消えますので、ぜひ試してみてください。3ボトル+指板コンディショナー+クロスがセットになったお買い得セットもあります:

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