弦の評価: ベルナベ スペシャルギターストリング ミディアムハイテンション(Paulino Bernabe Special Guitar String Medium High Tension)

4.5
ベルナベ スペシャルギターストリングの画像

これまでの最高価格を更新する弦のレビューです。製作家として有名なベルナベが販売しているベルナベ スペシャルギターストリングをレビューします。

販売価格4,400円の高級弦

このベルナベ弦はクラシックギターの製作家であるパウリーノ・ベルナベが自ら販売する弦です。

製作家自身が弦を販売するケースは少ないですが、ラミレスなども行っています。

ただ、ベルナベ工房が自らこの弦を製造しているかどうかは不明です。OEMである可能性もあると思います。

とはいえ、ベルナベブランドを冠しているということは、その音や品質にはベルナベが自信を持っているということでしょうから、期待したいところです。

クロサワ楽器によると、この弦が現在パウリーノ・ベルナベの楽器及びベルナベ工房品であるアントニオ・ロペスの楽器に出荷時に張られているセットなのだとか。

お値段は販売価格4,400円と、私がこれまで使ってきた中で一番の高級弦です。

ちなみに、それまでハナバッハ・エクスクルーシヴでした。

クラシックギター用高級弦についてはこちらの記事も参照ください:

パッケージにはそれほど高級感はない

パッケージの見た目はこんな感じです。

ベルナベ スペシャルギターストリングの画像

安っぽいということはないですが、ハナバッハ・エクスクルーシヴに比べるといたって普通のクラシックギター弦のパッケージという印象です。この価格ならもう少し高級感が欲しいですが、価格が上がるくらいならこのままでいい気もします。

裏には厳格な品質管理とカーボンを使った技術的に進歩的な素材を使っていると述べられています。テンションはアッパーミドル(ミディアムハイ)で、音の暖かさと輝かしさのベストなバランスをとっているとのことです。

寿命が長いとのうわさですが、これはしばらく使ってみて判断したいと思います。

弦の詳細な交換方法ガイドあり

パッケージの内側には外気を遮断する緑色のパッケージに入った弦セットが入っています。

また、紙パッケージの内側には詳細な弦の交換方法が書いてあるのですが、1弦から最初に交換しろとのこと。私は6弦から始める派なのですが、1弦から始めたほうが良いのでしょうか?

また、1本ずつ弦を交換しろとも書いてあります。これは、楽器の表面板にかかるテンションを急激に変化させないためです。

ブリッジと糸巻に巻きつける回数についても指定があり、

  • 1弦: ブリッジに4回、糸巻側に3回
  • 2弦: ブリッジに4回、糸巻側に2回
  • 3弦: ブリッジに3回、糸巻側に2回
  • 4~6弦: ブリッジに1回、糸巻側に1回

と、なかなか細かくガイドがあって初心者にはわかりやすいですね。これに加えて、弦の端を少しやすりがけして荒らすことが推奨されています。抜けづらくするためでしょう。

最後に、ペグを回して弦を張る際には、手で弦を伸ばしながら行えと書いてあります。このほうが弦が早く安定するとのことです。

弦番号がわからない

緑色の袋の中身はこんな感じです:

あ、各弦に弦番号がついていないパターンだ。。。どの弦が何弦がわからないので張るときにちょっと困ります。4,000円以上もするんだからここはちゃんとしてほしいですね。

弦の色はいたって普通の、低音弦が銀色、高音弦が透明なセットです。

ちなみに、高音弦には緑、黄、黒の色が弦の端についています:

が、どの色が何弦なのかどこにも書いていません。。。

私が実際に張った際には、

  • 3弦: 緑
  • 2弦: 黄
  • 1弦: 黒

でした。どこかに書いておいてくれれば役に立つんですけどね。

低音弦については特にガイドがなく、太さで判断するしかありません。幸い、弦自体の太さも差がありましたが、巻き線自体の太さが結構違っていたので、それで判断できました。

暖かみがあるけどしっかりした音の低音弦

早速張った感想を。まだ張ったばかりなので、音が変わったら追記します。

低音弦は、暖かみと落ち着きがある音だと思いました。

ぼやけた音ではなく、芯がしっかりしており、迫力もあります。

この辺りはさすがは高級弦といったところでしょうか。

ミディアムハイテンションということもあり、張りはちょっと強めです。

ただ、芯線が比較的柔らかい素材のようで、しなやかさも感じられます。

(追記): 張ってから2,3日たって安定してきたのか、音の輝きが感じられるようになってきました。また、音量が大きい気がします。

キンキンせずに柔らかいカーボン弦の高音弦

こちらも張ったばかりの感想なので、また追記するかもしれません。

高音弦はカーボン弦なのですが、まったくキンキンした音ではありません

むしろ、こちらも柔らかく、暖かみがあるように感じました。

音の強弱がつけやすく、力を入れればしっかりした音で、優しく弾けば小さな音でなってくれます。これ、意外と難しい要素だと思います。

テンションはちょっと強めですね。

(追記): こちらも低音弦と同じく、音の輝きと音量が出てきました。ただ、やはりキンキンするわけではなく、まさに音の暖かさと輝きのバランスがよくとれているように思います。ただ、張りは強いのでプロ仕様といったところですかね。

品質の高さは感じられた、後は寿命かな

ベルナベ弦を使ったの初めてですが、品質の高さが感じられる、高級弦らしい弦であると思います。

あとは評判のいい寿命がどれだけ長いかでしょうか。2倍とか持ってくれれば実質1セット当たり2,200円相当になるわけで、それほど高いとは言えなくなります。寿命についてはまた追記したいと思います。

日本では入手経路がクロサワ楽器のみというのもネックではありますが、クロサワ楽器の楽天市場店なら1セットから送料無料で買えます

ベルナベを使っている方はぜひ、そうでない方も一度試してみるのも面白いかもしれません。

(追記): 寿命は確かに長い、けど過剰な期待は禁物

3~4週間ベルナベ弦を張ってみましたが、確かに寿命は長かったです。

普通の弦が2~3週間でへたるところを、3~4週間たってもまだ使い続けることができるほどでした。

ただ、3週間の間ずっといい音が続くわけではありません。普通の弦と同じように徐々に音は劣化していきます。その速さが遅いだけであって、やっぱりだんだんと特に低音弦がだるだるの音になっていきます。

音としては、低音も高音もしっかりとした音が出ます。音量も大きいです。ただ、テンションが高くコントロールには苦労するかもしれません。その意味で、プロ用の弦といえるかもしれません。

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