弦の評価: ドーガル ディアマンテ エクストラソフト (Dogal Diamante Extra Soft NR127)

4.5
ドーガル ディアマンテ エクストラソフト

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海外の弦通販サイトを使って日本では売っていない弦を買ってみよう、ということでドーガルのディアマンテのエクストラソフトテンションを買ってみました。おそらく、クラシックギター弦の中でももっともテンションが低いものではないでしょうか。

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ナイロンにカーボンを加えた独特の弦

ドーガルのディアマンテは以前もレビューしたのですが、高音弦にカーボンを加えたナイロンを使っているのが特徴です。

ナイロン弦といえば柔らかい音、カーボン弦といえば鋭い音という印象がありますが、カーボン配合のナイロン弦はまさにこの中間の音になります。

また、低音弦もケブラーを使っていたり、いろいろと独特な弦です。

もっともテンションが低いエクストラソフト

今回購入したのは最もテンションが低いExtra Softと呼ばれるテンションです。

日本では手に入らないExtra Softテンション

ディアマンテには5種類のテンションがあります。低いほうから、Extra Soft, Soft, Regular, Strong, Extra Strongです。

日本でもディアマンテは売っているのですが、Extra SoftとExtra Strongは売られていません。テンションが極端すぎて需要が少ないという読みなのでしょうか?しょうがないので下記の手順でStrings by Mailから購入しています。

どれくらいテンションが低いのか?

Extra Softはほかの弦と比べてどれくらいテンションが低いのか。同じくテンションが低いといわれているプロアルテのライトテンションとハナバッハのスーパーローと比べてみます。

Dogal Diamante Extra SoftPro-arte LightHannabach Super Low
1弦6.4kg7.1kg7.0kg
2弦 4.6kg5.3kg6.0kg
3弦 4.6kg5.2kg6.5kg
4弦 6.3kg6.4kg6.5kg
5弦 6.0kg6.3kg6.7kg
6弦 6.0kg5.9kg6.5kg

このように、スペック的には一番テンションが低いです。特に高音弦のテンションの低さは圧倒的です。ただ、このスペック上のテンションは各社計測方法が統一されているわけではないのでうのみにするわけにはいきません。

貴重なローテンションのカーボン弦

先ほども書いたとおり、ディアマンテの高音弦はカーボンを加えたナイロンです。

カーボン弦でテンションが低いのは意外とありません。ノーマルテンション以上のラインナップが多い気がします。カーボン弦は細いのでテンションが低すぎると弦が細すぎて強度に問題が出るのですかね?

細すぎない弦

ドーガルディアマンテとサバレスアリアンスの1弦の比較

こちらがディアマンテのエクストラソフトの1弦(左)とサバレスアリアンスのノーマル(右)の見た目の比較です。テンションは全然違うのですが、ピュアなカーボンと比べるとやはりカーボン入りナイロンは太いようです。だからこそテンションが低くできるのかもしれませんが。

柔らかな中に芯がある、音の変化もつけやすい

弾いた感じもやはりテンションの低さを感じます。押さえるのは楽ですし、スラーも楽です。しかしながら、音がボヨンボヨンかというとそんなことはなく、しっかりと芯があります。

また、カーボン弦で問題になる音の変化のつけづらさはありません。ナイロン弦に近い感覚で使えます。

ここぞ、というときの強い音は出しづらい

もちろんいいところばかりではありません。

曲の盛り上がりでハイポジションで強い音を出したいときにはテンションの弱さが災いして音が抜けてしまうような時があります。

低音弦のテンションが低いと指にやさしい

低音弦ももちろんテンションが低いです。

このためなのか、張る前からすでに弦がかなり柔らかく感じます。

太さはあまり変わらず、違和感がない

ディアマンテの6弦とサバレスプレミアムの6弦の比較

上の写真の上がサバレスカンティーガプレミアムのハイの6弦、下がディアマンテエクストラソフトの6弦です。直径としては意外と差がありません。

直径が変わると押さえる感覚が変わって弾きづらそうですが、そんなことはありません。

押さえやすくて楽、腱鞘炎にやさしい

しかしながら、押さえた時の楽さは全然違います。

テンションの高い弦だと押さえた時の弦の抵抗を感じますが、この弦は抵抗がかなり少ないです。このため、一曲弾いた時の疲れがかなり少ないです。

私は以前腱鞘炎をやっていて、左指の負担には気を遣うのですが、この弦は指への負担が少なくていいと思います。

優しい音だけどスピード感もある

低音弦の音はどちらかというとおとなしくて優しい音です。

しかしながら、ぼやけたような音ではなくしっかりと曲を下支えする音を出しつつ、金属的な音によるスピード感もあります。

押さえやすさと相まって、安定した演奏ができる気がします。

このテンションの低さは貴重、一度試す価値のある弦

これだけテンションの低い弦はほかにないため、今までにない感覚で弾ける弦かと思います。

テンションが低いのが好きかどうかにかかわらず、一度使ってみる価値はあるような気がします。それにより、自分にとってどういう弦が好きかを考えるきっかけにもなるかと。

惜しむらくは日本で売っていない点です。もう少し手軽に買えるようになるといいのですが。

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