新しい楽譜を渡されてもそれがどんな音楽かパッとわかる人は少なく、ちょっとずつ弾いてみたり他の人の演奏を聴かないとわからないことが多いのではないでしょうか。世の中には楽譜読み取りアプリやソフトがあり、楽譜をスマホやパソコンに演奏してもらうことができます。
スマホでのリアルタイムからパソコンでの本格的な読み取りまで
この楽譜の読み取りという技術、様々なものがあり、その用途も様々です。こちらの記事で紹介するのは以下のアプリやソフトです:
アプリ/ソフト名 | スマホ/パソコン | 内容 | 特徴 |
楽譜カメラ | スマホ | カメラでリアルタイムに楽譜を読み取って演奏可能 | とにかくお手軽だが、音の長さ等は読み取り不可 |
楽譜スキャナー | スマホ | カメラで撮影後の画像から楽譜を読み取って演奏可能 | 音の長さも読み取れるが、3連符などには対応しない |
スコアメーカーZERO | パソコン | カメラあるいはスキャナで取り込んだ画像をパソコンで読み取り | かなり高機能だが高価。パソコンで行うのであまりお手軽でない。 |
楽譜カメラ
まず最初に紹介するのはカワイ楽器がリリースしているスマホアプリ、楽譜カメラです。

このアプリのすごいところはリアルタイムに楽譜の読み取りが可能であるという点です。
普通の楽譜の読み取りだと、カメラやスキャナで撮影した画像をアプリやソフトに与えるイメージ化と思います。この楽譜カメラの場合、カメラに楽譜をかざすだけで読み取りができます。
そして、楽譜にかざしただけでその楽譜の演奏ができるんです。
ただ、リアルタイムに処理しなくてはいけないことから、読み取れるのは基本的に音の高さのみです。四分音符も八分音符もありません。演奏時に自分で指示することになります。
ただ、撮影すらしなくても良いというのはかなりお手軽なので、ちょっとどんな曲なのか聞いてみたいという程度の使い道であればこれで十分です。
楽譜スキャナー
何やら楽譜カメラと似た名前ですが、別のアプリです。

こちらは楽譜カメラよりも高機能ですが、リアルタイム読み取りではなく撮影したカメラ写真やスキャナで取り込んだ画像を使います。
このため、楽譜カメラではできない音の長さの読み取りもできるのですが、完ぺきではなく、現状以下のような制限があります:
• 次の記号は現在サポートされていません:反復記号、コーダ、3連音符/連符、パーカッション表記、ダイナミクス、ダブルシャープ、ダブルフラット、装飾音。 これらは将来のアップデートで対応する予定です。
一応、将来のアップデートでの対応とはなっています。
読み取った楽譜をPDFで出力できるのも特徴です。また、楽譜を演奏した音楽も音楽ファイルとして出力できるので、他の人にどんな曲なのか伝えたいという場合にも使えます。
スコアメーカー
こちらはパソコン用のソフトで、カメラで撮影した写真やスキャナでスキャンした画像を使って読み取ります。
このソフトは楽譜作成・作曲ソフトです。この手のソフトだとFinaleとかSibeliusが有名ですが、スコアメーカーは楽譜の読み取り機能の優秀さに定評があります。
パソコンでしか動作しないのでいちいち画像をパソコンに持ってきて処理する必要はありますが、作曲ソフトなので
- 読み取った楽譜を手直し
- 読み取った楽譜をもとに編曲
- 運指や注意書きを加筆
- 楽譜の移調
といったことが簡単にできます。
読み取った楽譜をもとにいろいろやりたいのであればスコアメーカーを買っても損はありません。
使い方の公式ガイドブックも出ています:
なお、スコアメーカーにはラインナップが4種類ありますが、プラチナムかスタンダードしか読み取り機能は使えないので注意してください。
用途に合ったアプリ/ソフトを使った効率をアップ
このように楽譜の読み取りと言っても様々なレベルのものがあります。
レベルが低いものが悪いというわけではなく、用途に応じて選ぶべきものです。
楽譜からどのような音楽なのか読み取るのに苦労している人は一度使ってみてはいかがでしょうか。
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