ハナバッハの高級弦であるエクスクルーシヴなど、今後レビューを行う予定のクラシックギター弦のページを更新しました。こちらをクリック。

最高級クラシックギターの世界 高い理由は歴史的価値だったり希少価値だったり

楽器 豆知識

世の中のものの多くがそうであるように、クラシックギターの値段もピンからキリまでいろいろあります。この記事ではそんな最高級のクラシックギターについて調べられた限りでの相場の値段と高い理由について書いていきたいと思います。

スポンサーリンク

値段が高い理由は2種類

最高級のクラシックギターは色々ありますが、高い理由は大きく分けて2種類です。

歴史的価値

1つ目の理由は歴史的価値です。

その楽器が歴史的に重要な意味を持つとか、有名な演奏者が使用したとか、そういった理由で楽器その物の価値よりも価格が高くなることがよくあります。

そして、この種の楽器は往々にして製作者がすでに他界していることが多いです。

価値が高まる理由があるうえにもう作られないとなれば価格が高くなることは必至です。

ただし、クラシックギターの場合は歴史的価値のみで価格が高くなるものはあまりない気がします。

希少価値

製作者がまだ存命であっても人気が非常に高い楽器は価格が上がります

こちらに分類される楽器は楽器その物の価値が高い(==音が良いといわれている)ために人気になり、手に入りづらくなり、価格が上がっています。

また、「手に入りづらい」の理由に楽器の本数が少ないという点もあります。

さらに年月が経てば歴史的価値もついて価格が上がるかもしれません。

歴史的価値と希少価値両方を兼ね備えるもの

歴史的価値もあって希少価値も高い楽器もあります。

こういったものはやはり価格が跳ね上がってしまいます。。。

最高級クラシックギターとその相場、理由

それでは最高級のクラシックギターについて列挙子、それぞれの価格の相場、高い理由について書いていきたいと思います。

異論はあると思いますし、抜けているものもあるかと思いますのでそこはご容赦ください。。。追加及び追記は適宜していこうと思います。

また、コメントいただければ修正を検討します。

名前相場歴史的価値希少価値
アントニオ・トーレス1000万円以上現代のギターの基礎を作った名工の作品。製作者が1892年に死去。製作者が1世紀以上前に死去し100本未満しか現存しない。
ハウザー1世600万円以上かのセゴビアに「これ以上のものは作らなくてもいい」と言わしめた名工。作品がメトロポリタン美術館に収蔵。製作者が1952年に死去。製作者が60年以上前に死去し現存数が少ない。
マヌエル・ラミレス600万円以上若き日のセゴビアが愛用した名器。メトロポリタン美術館収蔵。製作者が1916年に死去。製作者が1世紀以上前に死去し現存数が少ない。
サントス・エルナンデス400万円以上上で紹介したセゴビアが愛用したのは実はマヌエル・ラミレス工房で働いていたサントス・エルナンデス作であるという話も。製作者が1943年に死去。製作者が70年以上前に死去し現存数が少ない。
エルナンデス・イ・アグアド500万円以上ブリーム、ジョン・ウィリアムス、デラマーサといった名奏者に愛用される。製作者二人の共作で、エルナンデスが1975年に、アグアドが1982年に死去。全部で454本しか製作せず、現存数も少ない。
イグナシオ・フレタ500万円以上ジョン・ウィリアムスなどのギタリストに使われ、現在でも多くのプロギタリストに愛用される。初代は1977年に死去するも、現在は子孫が同じブランドで製作を続けている。まだブランドとしては製作を続けているが、あまりにもオーダーが多く手に入れづらい。
ホセ・ルイス・ロマリニョス500万円以上ブリーム、村治佳織などのギタリストに使われる。まだ存命中であり子供が工房を継いでいるものの、オーダーがあまりにも多く手に入れづらい。
ロベール・ブーシェ800万円以上ラゴヤ、プレスティなどのギタリストが愛用。製作者が1986年に死去。生涯に154本しか製作せず希少。製作者が30年以上前に死去し現存数が少ない。
グレッグ・スモールマン500万円以上ジョン・ウィリアムスなど現代のギタリストが愛用。クラシックギターを大音量化するラティス・ブレーシングなどの新技術を開発。まだ存命で子供とともに製作中だが、あまりにもオーダーが多く手に入れづらい。
マティアス・ダマン500万円以上デイヴィット・ラッセルなどが愛用。クラシックギターの表面板を3層構造にするダブルトップ技術を開発。まだ存命中だがあまりにもオーダーが多く手に入れづらい。

以下がそれぞれのもう少し詳細な説明です。

アントニオ・トーレス

現代のクラシックギターの形や構造はこの人のギターからできたといってもいい、現代クラシックギターの始祖ともいえる人です。

ギターのストラディバリウスともいわれることもありますが、ストラディバリがヴァイオリンの構造の始祖ではないので、ちょっと違うような…。

何しろ19世紀の人なので現存数が少なく、新しい楽器が生まれるわけではないので、価値がどんどん高まっています。

現代の製作者でさえトーレスを研究して、その構造をコピーしたトーレスモデルを作成することも多いです。

過去にはオークションで1700万円という値がついています。

ハウザー1世

現代でも人気のあるハウザーの初代です。

現在では4代目になっているようですが、初代は19世紀ギターも作っていたような時代の人です。

この人のギターはセゴビアに「これ以上のものは作らなくていい」と言わしめ、長年愛用されました。ニューヨークのメトロポリタン美術館に収蔵されているものはセゴビアが寄贈したものだとか。

ハウザーは初代、2代目、3代目で音が違うらしく、それぞれを好きな人がいます。初代は当然一番古い時代の人なので希少価値が高いです。

マヌエル・ラミレス

若き日のセゴビアの才能を見抜き、ギターを寄付したという人です。

「ラミレス」という名前ですが、現在でも人気のホセ・ラミレスの直径の人ではなく、ホセ・ラミレス1世の弟だそうです。

この人のギターもセゴビアによってニューヨークのメトロポリタン美術館に収蔵されています。

サントス・エルナンデス

上で紹介したセゴビアに寄付されたギターはマヌエル・ラミレス自身が作ったものではなくサントス・エルナンデスが作成したものであるという話も残っています。

マヌエル・ラミレスの工房は一人でやっていたのではなく、職人を雇って製作していて、その中の一人がサントス・エルナンデスだったのだとか。

かなり実力の高い職人だったらしく、後年には独立して独自のラベルをつけて販売しています。

エルナンデス・イ・アグアド

珍しく、エルナンデスとアグアドという二人の名前がラベルについている楽器です。

エルナンデスが木工、アグアドが塗装を担当していたのだとか。にもかかわらず製作本数が少なく希少価値が高いです。

以前、お宝鑑定団という番組にこのギターが登場し、500万円という鑑定結果が出ています。

イグナシオ・フレタ

現在でも3代目が工房を守っている名門工房です。

海外ではフレタがギターのストラディバリといわれたり、ギター界のロールスロイスといわれたりしているようです。

面白いところではこんなドキュメンタリーが製作されており、そのタイトルが “I AM A GUITAR”だそうです。

最近では映画「マチネの終わりに」で福山雅治が弾いたギターとして話題になりました。

3代目が制作を続けていますが、あまりにもバックオーダーが多く10年以上の待ちが必要ともいわれています。

ホセ・ルイス・ロマリニョス

ジュリアン・ブリームに愛用されたギターの製作者で人気が高いです。日本でも村治佳織が使っていることで知られています。

スペインの伝統的なギターの製作方法にこだわっており、アントニオ・トーレスの研究者としても知られています。その研究成果は本としても出版されています。

現在では息子が主にギターを製作しているようですが、こちらもバックオーダーが多く、希少価値が高いです。

ロベール・ブーシェ

フランスの画家でありギター製作家でもあるという珍しい人です。

非常に魅力的な音のギターを製作していましたが、画家と兼業だったためか生涯で154本のギターしか製作しなかったため、希少価値が高いです。

グレッグ・スモールマン

音量が小さいというクラシックギターの欠点に革命的な進化をもたらした人です。

具体的にはラティス・ブレーシングという表面板をできるだけ薄くするための構造や、裏板と側面板ができるだけ振動しないようにするような構造にしたことで知られています。詳細は以下の記事を参照ください:

現在ではコンクールの入賞者の多くがスモールマンあるいはスモールマンの構造のギターを使っています。

この人も息子と一緒に製作を続けているようですが、人気があまりに高く希少価値が高いです。

マティアス・ダマン

この人もクラシックギターの音量の問題を解決するため、ワグナーという人と一緒にダブルトップという技術を開発しました。詳細は以下の記事を参照ください:

スモールマンのギターとともに現代のギターを象徴する技術であり、こちらもコンクール入賞者の多くが使っています。

そして、やはりオーダーがあまりに多く希少価値が高いです。

価格相場としてはヴァイオリンに比べるとかなり低い

最高級のクラシックギターといっても億を超えるヴァイオリンに比べると安いかと思います。

これは、

  • 市場規模としてはヴァイオリンの方が大きい
  • ヴァイオリンに比べるとクラシックギターの構造が現在のものになったのがせいぜい100年くらいであり歴史が浅い

のが原因と思われます。

ストラディバリは17世紀から18世紀初頭の人なので、22世紀の終わりくらいになればトーレスのギターはこれくらいの価値になる、かもしれません。

弾いてみたいけどさすがに買うのは…

これらの最高級といわれるギターはそれぞれに魅力があり、一度弾いてみたい気もします。

しかしながら、その値段もさることながら、扱いに気を遣うことを考えると趣味で弾くための楽器ではないのかもしれません。

どこかに1時間いくらとかで弾き放題の商売をやってる店とかないものか。。。

スポンサーリンク
クラシックギター情報ブログ 最高の一音を求めて

コメント

  1. イーグルくん より:

    「1967~70年代前半まで」に限定の内部ブレーシングがフレタな Kohno はフレタ並みに希少価値かも?
    初代フレタのあと~初代ルビオの前までの時代。
    VintageKohnoGuitarsの見方

    クラシックギター界に普遍的な音楽性を導入したクラシックギタリスト、ジュリアンブリームが一番安いNo.2を試奏で選んでお買い上げ、ずっとコンサートで愛用、とか。
    この時代の河野賢は海外では今でも高額で取引されて。
    セゴビア、ラミレス全盛期スプルースもシダーの茶色に染めてた時代に、スケール短い660mmギターを作った勇気、かも。

    セゴビアさんがホセ・ラミレスに持ち替えたのも、愛国心なんかじゃなくて、ハウザーのギターでもセゴビアには実は小さく、年を経て自分に合ったスケールの大きいギターが必要になったから、と云う?

    • かーるかーる より:

      イーグルくん 様

      コメントありがとうございました。
      ジュリアンブリームも河野を使っていたとは知りませんでした。
      海外だと日本で買うよりも高くて高級ギターの域に入るかもしれませんね。

タイトルとURLをコピーしました