弦の評価: FOEHN Normal Tension (フェーン クラシックギター弦 ノーマルテンション)

3.0
FOEHNクラシックギター弦のパッケージ

スマホ関連の商品はかなり一般化してきてネットで格安のものを買っても意外と品質が良かったりします。今回紹介する弦はそんなネットで買える格安のものです。デジタルガジェットと異なり仕様だけで価値が決まらない分野ですが、果たしてどの程度の実力があるのでしょうか。レビューしたいと思います。

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福岡のネット楽器店が展開するブランド

FOEHNというブランドは聞いたことないので調べてみたところ、福岡のネット楽器店 chuya-online が展開するブランドのようです。

このブランドで弦はクラシックギターだけでなく、エレキやアコギ、さらにバイオリン属用の弦まで幅広く取り扱っています。弦だけでなくエフェクターやチューナーといった楽器関連商品も扱っているようです。

販売元のHPには、

FOEHN(フェーン)Stringsは多くの有名ブランド弦のOEMも手がける工場で精巧に製造されています。

FOEHNのHPより

とあり、自社工場を持っているのではなく他社に製造を依頼し、それをFOEHNブランドとして販売しているようです。

FOEHNは「フェーン」と読み、いわゆるフェーン現象のことを指します。

安いけど意外とちゃんとしたパッケージ

このFOEHNですが、まともなブランド名やパッケージに入ったクラシックギター弦としては格安です

定価は1セット540円、3セット1,440円、6セット2,700円と400円台~500円台という価格であり、さらにネットショップ上では1セット400円を切る価格で売られています。

普通のクラシックギター弦は1セット1,000円はくだらないのでまさに格安です。

その割にまともなパッケージに入っているのがうれしいところです。

FOEHNクラシックギター弦のパッケージ

パッケージはシンプルですが他社のクラシックギター弦セットに比べて劣るということはありません。

FOHENクラシックギター弦パッケージ裏

残念ながらテンションの情報はありませんが、太さ(ゲージ)の情報はアリアンス。また、説明を見るとどうも製造は中国等のアジアではなくアメリカで行われているようです。

FOEHNクラシックギター弦の中身

さらに、内側は弦が1本1本ビニールの空気を遮断する袋に入れられています。全部まとめて1つの袋かあるいは袋にすら入っていないことを予想していたのでこれは驚きました。

クラシックギター弦は一部を除けば材料費は安いでしょうから、コストはほぼ開発費で占められているのですかね。そのあたりがいらなくなるとこれだけ安くなるということでしょうか。。。

見た目はいたって普通な低音弦

FOEHNクラシックギター弦の低音弦

上の写真で張ってある4弦がプロアルテライト、巻いてあるのがFOEHNの6弦です。見た目はいたって普通の巻弦といった印象です。

特にどこかが錆びていたり、巻弦がほつれているということはありません。

触った感じも昔懐かしい低音弦といった趣でなんということはなく、拍子抜けしました。

高音弦もいたって普通の見た目

FOEHNクラシックギター弦の高音弦

上の写真は1弦がプロアルテライト、3弦がFOEHNです。

高音弦も透明度が割と高めのナイロン弦で、昔懐かしのナイロン弦の手触りです。

安い弦の品質で一番気になるのは高音弦の音程かと思いますが、少なくとも私が張ったセットは致命的に音程がくるっているということはありませんでした。3弦が多少上ずってはいますが許容範囲です。

もはやナイロン弦を真円に成型する技術は当たり前の技術なのかもしれませんね。

音は今のところ詰まった伸びのない音

これで音がよければ万々歳なのですが…残念ながら張った直後はいまいちでした。

高音弦は金属的な音がするのに開放感がなく詰まったような音がします。また、音の伸びがありません。

低音弦もなんかいまいち鳴りきらない音で、厚みもなく、いまいちです。

昔ながらのナイロン弦は2,3日で音が変わることもあるのでとりあえず2,3日は使ってみようかと思います。このままなら…外すかな。。。

(追記): 結局弦がへたるまえに交換してしまいました。音程も悪くないし品質も悪くないのですが、なんというか、弾いていて楽しくありませんでした。相性や好みもあるかもしれませんが、ギターという楽器の音を楽しむにはいまいちだったかと。

クラシックギター用弦の製造技術はもはや差別化要因ではない?音で勝負するしか…

FOEHNのクラシックギター弦を張って感じたのは、純粋なクラシックギター弦の製造技術という意味ではこれだけ安くても高い品質のものができてしまう時代が来たか、という点です。

昔は高音弦を真円に近づけたり、巻線をほつれずに製造するのは大変な技術が必要だったのだと思います。

それが、時代を経て機械任せでこの辺りが普通にできてしまうような時代になったのでしょうね。

弦メーカーにとってはうれしいことに、少なくとも張った直後は、音に関しては満足のいくものではありませんでした。音は工業的な品質とは必ずしも相いれないところなのでここが差別化の要因になるのでしょう。

ただ、この辺りのノウハウもそのうち格安の弦にも入っていくでしょうから、そのうち格安の弦もまともな音がするものが出てくるかもしれません。

スマホ等であればこの辺りの動きが速いのでしょうが、クラシックギターは良くも悪くも発展している産業ではないので(苦笑)、すぐにそのようになるということはないかとは思います。

格安の弦ですので話のタネに一度試してみるのも良いかと思います。

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