弦の評価: ハナバッハ シルバースペシャル スーパーロー(Hannabach Silver Special 815 SLT Super Low tension)

3.5

テンションが低い弦シリーズです。今回はハナバッハの黄色です。昔からハナバッハの黄色といえばテンションが低いことで知られていますが、果たして。

 

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ドイツの昔ながらの弦メーカー ハナバッハ

ハナバッハといえばクラシックギター弾きの間ではかなり老舗の弦メーカーとして知られています。

創業は1869年だそうで実に150年前からあるメーカーのようです。

HPを見るとクラシックギター弦だけを作っているメーカーのようです。それで150年も生き残っているのはすごいですね。

ハナバッハの標準品であるシルバースペシャル

ハナバッハは様々な弦を作っていますが、その中でも815 silver specialシリーズは同社の標準品といえるシリーズのようです。

同社のHPでも、どんな用途でも、どんな楽器でも、どんな人にも向いている弦として紹介されています。

販売量としてもこのシリーズがベストセラーだそうです。

シルバースペシャルはテンションのバリエーションが豊富なシリーズとしても知られています。スーパーハイ(赤)、ハイ(青)、ミディアム(黒)、ロー(緑)、スーパーロー(黄)の5種類ものラインナップがあります。この中でもいわゆる普通の弦は黒でしょうか。

実は高音弦は2種類しかない?

5種類ものテンションがリリースされているハナバッハシルバースペシャルですが、実は高音弦は2種類しかないという話があります。

スーパーハイ/ハイが共通で、ミディアム/ロー/スーパーローが共通だというのです。

実際、パッケージに書かれているテンションもそうなっていますし、現代ギター2018年12月号の特集での計測でもほぼ同じとなっています:

低音弦はテンションが違うようなので、これらのテンションの違いは主に低音弦で作られているようです。

このため、5種類もあるといっても、この雑誌の特集の計測でもスーパーローもほかの弦に比べて圧倒的にテンションが低いというわけではありません。

しっかりと空気を遮断するパッケージ入り

能書きが長くなりましたが実際に張ってみます。パッケージは「HANNABACH AIR-SEALED」と書かれている空気を遮断するパッケージに入っています。

ハナバッハ シルバースペシャル スーパーロー 815 SLT

サバレスはいまだに空気を遮断するパッケージを採用していませんが、長期保存も考えるとやはりこのようなパッケージの方が安心です。ちなみにジッパーになっていて再利用もできそうです。

裏面にはテンションと弦の太さが書かれています:

どんどん伸びる弦

久しぶりに昔ながらの弦を張ったのですが、やはり昔ながらの弦は張ってからどんどん伸びます。

最近のカーボン弦や新素材の芯線を使った低音弦は比較的張ってから安定までが短い気がしますが、このハナバッハシルバースペシャルはどんどん伸びます。

特に高音弦は本番が近い場合は安定までの時間を逆算して張った方が良さそうです。

しっかりした音の太さを感じる低音弦

弾いてみてまず最初に印象に残ったのは低音弦です。

最近はやりのスピード感のある音が飛んでいくイメージではなく、しっかりとした太さを感じる音が音楽の底を支えてくれるイメージです。

かといってスピード感のない鈍重な音かというとそうでもなく、程よく輝きがあります。

このためか、高音弦と一緒に弾いた時に分離がよく、低音の動きがしっかりわかります。

テンションに関しては「スーパーローテンション」と言っていますが、ぐにゃぐにゃということは全くなく、少し柔らかいかな?という程度です。以下で紹介しているドーガル ディアマンテのエクストラソフトの方がずっと柔らかいです。

柔らかさと芯が同居した高音弦

高音弦は昔ながらのナイロン弦です。

ナイロン弦なのですが、オーガスチンのような色気はありません。かといってプロアルテのようにかちっとした音でもありません。

柔らかい音も出せるんだけど、カチッとした音が基本になっているというイメージでしょうか。

一方で音色の変化はナイロン弦にしては少ないような気がします。

テンションはそれほど低くない気がします。やはりミディアム/ローと共通の弦だからでしょうか。

ちょっとお高めだけどいい弦、テンションの低さで選ぶならほかの選択肢も

私はあまりハナバッハの弦は使ったことがなかったのですが、普通にいい弦でした。

高音弦の音程は良いし、低音弦の音の太さや分離の良さも魅力です。

ただ、「スーパーローテンション」という言葉につられてテンションの低さで選ぶならほかに選択肢があるかと思います。

また、他のメーカーに比べてちょっと価格がお高めなのも。。。前に比べると他が値上げしてきたので差は縮まっていますが、それでも少し高めなのは変わりません。

日本でも昔から売られている弦ということもあり、入手が容易であるところも魅力化と思います。

食わず嫌いをせずに長年使われてきた理由を一度試して感じてほしいです。

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