弦の評価: アクイーラ ルビーノ (Aquila Rubino)

4.0
アクイーラのクラシックギター用弦 ルビーノ

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個性的な弦を作ることで定評のある(?)アクイーラの弦をまた試してみました。ルビーノと名付けられたこの弦、確かにルビーらしく赤いです。

金属粉を混ぜたポリマー弦?

このルビーノは高音弦に金属粉を混ぜたポリマーを使っているのだそうです(SIEのHPより)。

コンセプトとしては、弦の低周波数の鳴りを良くしようと思うと太くしなくてはならず、そうするとぼんやりとした音になってしまう、それを解決するために新しい素材を使ったということのようです。

そのあたりのことがこのようにパッケージ裏にびっしり書いてあるのですが、赤い背景に黒の上に細かくて読みづらいことこの上ないです(苦笑)。

新素材系の高音弦は色々試してきましたがどれも個性的でした。これもきっと個性的な音、かな?

赤茶色の高音弦と赤色の低音弦

早速開封してみましょう。

上の写真に写っている赤茶色のが高音弦、赤色のが低音弦です。…なんというか、クラシックギターとは思えない絵面です。

高音弦は小豆よりももう少し茶色がかっているかな?といった色で、ルビーノの意味する「ルビー」からはほど遠い色です。

触った感じで一番近いものはプロアルテコンポジットの3弦です。ナイロンに比べて曲がりづらく硬めの感触がします。繊維がナイロンに比べて太いのか擦ると少し抵抗を感じるのも同じです。

低音弦はおそらく以前試したアクイーラのシュガー(Sugar)と同じと思われます。通常の低音弦は銀で巻き線をメッキしますが樹脂でコーティングすることにより錆を防いでいます。メタリックの赤なのでルビーかと言われると違うような気も。。。ちなみにこの低音弦、どうも仕様変更されたようで、以前は銀メッキだったようです。アクイーラは同じ商品名でしょっちゅう仕様変更するのでややこしいです。

全弦張るとこんな感じです。これは何の楽器だろう…。

良くなるけどキンキンしない高音弦

弾いてみた感想です。

まず、高音弦に関しては見た目の変さとは裏腹に意外と違和感が少なかったです。良く鳴る高音弦といえばカーボン弦ですが、カーボンに比べるとキンキンせず、むしろ太い音で良く鳴ります

それでいて、鋭い音を出そうと思えば出せるという音色の変化にも優れています。余分な倍音が少ないのか和音を出した時にそれぞれの弦の音がよく聞こえます。

少し気になるのは表面の抵抗が大きいことです。指先の状態によってキュッキュッというノイズが出るかもしれません。このあたりは弾いていると変わるかもしれないのでまた書きたいと思います。

この表面の抵抗の大きさはスラーをやるときにやりやすかったりします。

安定が早いのはこのポリマー系の弦共通の特徴でしょうか。

見た目よりもおとなしい低音弦

低音弦は見た目からするとエレキやアコギのような音が出そうですが、こちらはいたっておとなしい音でした。

6弦は低音が底から鳴るイメージで、5,4弦になるにしたがい金属的な音も出てきます。やはり音の分離も良くルビーノの高音弦との相性も良いです。

テンションも高そうに見えますが、むしろ低めで弾きやすい弦です。

思ったよりも普通に使える弦

見た目や名前からどうもキワモノのように思えてなかなか手が出なかったですが、使ってみると意外なほど普通に使える弦でした。

少なくとも同社のシュガーに比べれば全然です。

まだ張ったばっかりなので落ち着いたらどうなるのか見極めたいと思います。

(追記)音の安定が早い

今までで一番くらい音が安定するのが早かったです。

張った次の日には高音弦を含め安定していました。

また、6弦をレに落としたり戻したりした時も安定が早く、実戦的な弦であるように思いました。

(追記) 太く良く鳴るけど寿命はあまり長くなかった

高音弦は良く鳴ります。鳴りますが、太目の音で良く鳴るという珍しい弦です。良く鳴る弦は大体キンキンするものですが、そんなことがないので、カーボン弦は気に入らないけどナイロンの音のこもりが気になる人はには良いかもしれません。

低音弦も太く良く鳴ります。高音弦と低音弦の音に一貫性があるので4弦と3弦にまたがるメロディーを弾くときにあっています。

ただ、ちょっと寿命が短い気がします。特に低音弦はすぐにフレットに当たるところが削れていてしまい、そのせいでぼやけた音になりました。低音弦だけで売っていないこともあり、そこが残念です。

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